日本建築写真家協会


 

日本建築写真家協会のFBカバー写真を畑勝明が担当させていただきました。

 

倉敷です!

 

写真にまつわるコラムも掲載していただきました。

「倉敷美観地区 中橋」 撮影 : 畑 勝明

 

この写真を撮影したのは昨年の8月31日。
平日ではあったが、夏休み最後の日ということもあり観光客で賑わっていた。

写真の右手に見える大きな倉。この建物は江戸後期に土蔵造りで建てられ、米倉として使われていた。その後昭和25年に改装され、現在では「倉敷考古館」として地域の遺物が展示されている。

写真中央に流れるのは「倉敷川」。今では観光の川舟流しが風情を醸しているが、昭和前期頃までは物資を運ぶ運河として賑わっていた。浅海だったこの地域が陸地化して集落が形成され始めたのが天正(江戸時代の少し前)の頃のことであるという。この倉敷川は江戸時代に移り、地域の発展に伴って航路確保や汚水排水のために造られた川である。

そして写真の左手に見えるクラシカルな西洋建築。この建築は大正6年に旧倉敷町の町役場として建てられた。その後昭和に入ってからは倉敷市役所や職業紹介所、公益質屋などに転用され、昭和46年の保存修理、昭和62年の解体修理を経て現在では「倉敷館」という名称の無料観光案内所となっていて、大原美術館と並んで倉敷美観地区のランドマーク的存在となっている。

一見してよくある観光地に見えるこの写真も、歴史というレイヤーを重ねてみるとまた見え方が変わっておもしろい。

 

参考文献
「絵図で歩く倉敷のまち」「倉敷美観地区ー歴史と民俗ー」
「倉敷おさんぽマップ」「倉敷川畔伝統的建造物群保存基本計画報告書」

 

倉敷美観地区は伝統的な建築物が数多く守り残されている とても魅力的な町です。

建築写真家協会の場をお借りさせていただき、情報の発信ができてとても嬉しく思います!