Recent Work


 

ブランディングムービーを制作させていただきました。

プロダクトの修繕やメンテナンスには、なんとなく「軽微な作業」というイメージを持っていました。しかし、部分的な修繕の場合でも仕上がりまでには多くのプロセスがあり、それらは作家さんの精細な職人的手しごとによって施されていました。この、あまり語られることのない密やかな物語(ストーリー)を、映像を通じて可視化できるよう制作を行いました。

撮影はフットワークを重視して一脚を使用しました。音声にはガンマイクを使用して、リズミカルで象徴的な作業音を収録しました。編集ではテンポ良く展開することで、工程数の多さと複雑さを訴求しました。作業全体の細やかさや丁寧さは、作家さんの所作や表情から滲み出ていると思います。

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映像でメンテナンスを施されている長財布は、13年も前に同ブランドで制作されたものでした。長年の使用でも目立ったほころびなどが無いどころか、使われるなかで形成されたであろう、革特有のしっとりとした光沢感や、所有者由来のフィット感が醸し出されていて、とても静かで美しい個性を放っていました。

映像タイトル「繕う(つくろう)」の「繕」という漢字は、「糸」で「善く」と書きます。手縫いによるメンテナンスを実際に撮影・見学させていただくなかで、「繕う」ことの原点を垣間見たように感じました。作家さん直筆の題字からも、自然との調和を尊ぶ思想が伝わってきます。

Location:岡山県倉敷市